先日、近所の公園で弟家族とピクニックをした。公園と言っても、遊具も何にもないだだっ広い芝生の広場、休日でもキャッチボールやバドミントンをしている親子がいるくらい。
そんな場所の一角を陣取り、椅子やらテーブルを置いて簡易キャンプの出来上がり。木陰は限られるので、朝の七時半に場所取りに行ったのだが、集合時間の10時になっても他に人はこなかった。いいオッサンなんだから、もっと鷹揚な自分になりたいといつも星に願っている。
弟はキャンプが趣味なので、全部用意してくれる。持つべきは世話好きな兄弟、同じ性格じゃなくてホント良かった。
火器は使えない公園だからBBQができるわけでもない。設営を終えると弟家族はさっさと近所のスーパーへと出かけ、色んな食べ物を調達してきてくれた。その間、自分は持ち込んだビールをグラスに注ぎこんでいい気分。まだ午前中だ。
いやー気持ちいね、暑すぎることも無い心地よい季節、新緑に満ち溢れた公園で朝っぱらからビールを飲む。犬とお散歩している夫婦やジョギングしているオッサンがうらやましそうに見ている(と思う)。
何がいいって、自宅から歩いて7~8分でこんな非日常を楽しめるってこと。足りないものがあれば家に戻ればいいし、公園のトイレを使いたくない女性陣は家に戻って用を足すこともできる。
うーん、クセになりそう。そんなことを思いながらスパークリングワインの栓を抜く。シュワシュワのアワアワちゃんを太陽に透かして幸せを噛みしめる。そして冷たい黄金色の液体が僕のカラダにしみわたる。最高の瞬間。
弟家族が買い込んできたピザやつまみを頬張りながら酒を飲む。何も気を使わないで勝手気ままな時間を過ごす。友人たちとワイワイやるのも楽しいけど、家族と過ごす時間は何の気遣いも不要だからココロから気を抜ける(もっと気を使えと思われているかもしれないが気にしない)。
姪っ子たちがバドミントンやらフリスビーやらを始める。最初は一緒になって遊んでいたが、段々体が動かなくなってくる。そりゃそうだ、そろそろスパークリングワインが一本終わる頃。
モルックというナンバーが降られた木を倒す遊びをみんなでしたのだが、途中でそれからも脱落した。それでも椅子に座り、空を見上げながら、あー幸せだなーと本気で思う。
さっき、クセになりそうだという話をしたが、こんな非日常が日常になってしまったら僕はどんな自分になってしまうのだろう。いそいそとチェアとクーラ―ボックスをもって公園に向かう毎日、想像するとちょっと怖くなる。
たまにこういう時間を過ごすからいいのだろう。非日常な時間はあくまでとっておきの時間だから楽しい。となると普段、どのような日常を過ごすべきか。
もうすぐサラリーマン人生も終わる、これまでの仕事漬けの日常から解放されて新たな人生を歩むことになる(はず)。最近は仕事はホドホドにして、プライベートを優先するようにしている。
それでもあと三年だから、仕事もしっかりやり切ろうと決めた、そしてその後は新しい人生のフェーズに移る。好きなことだけして生きていく。でも、その中にも日常と非日常はある。
どんな日常を送るべきか。どんな非日常を見つけていくか。オッサンはオッサンなりに悩む。でも楽しい悩みだと信じて楽しむ。そういうマインドセットから切り替えていくことが大事。
なんて考えていたら眠くなってきた。時計を見るともう夕方だ。それにしても楽しい一日だったな、これからも、そのように思える毎日を作っていきたい。それがオッサンのささやかな目標だ。