
お気楽サラリーマンなので、午前中の仕事が終わり、午後からは自宅に戻ってテレワークに切り替えることにした。ついでとばかりに横浜の高島屋により、お安くなっていた手袋を買い、999.9でメガネのフレームを調整してもらい、気になるお店を数件見て回った。
まったくお気楽で困るが、平日のデパートはヒマヒマでガラガラだから、買う物さえ決めておけばあっという間に用事は済む。客も高齢者しかいない(うそ)から、時間が止まっている。よくこんな状況で店員さんはやってられるもんだと感心する。一日が一週間くらいに感じるのではないだろうか。
まだ昼食をとっていなかったので、食事を済ませて帰ることにした。6Fにあるイノダコーヒーで「ボルセナ」というホワイトソースベースのパスタを食べたいと思っていた。以前、銀の皿で美味しそうに食べている人を見て、今度食べようと思っていたのだ。
なんだけどお店に行くと人が並んでいる。なんと9番目、まったくヒマヒマな人たちが多くて困る。仕方ないのでレストラン街に行くが、あまりガッツリ食べる気にもならない。オッサンだからお昼は小食なのだ。
ふらふらしていたら、表に出ていたメニューのオムライスが目に入った。たまにはこういうのもいいよね、お店も空いていたのでそこに決定。席に着き注文を済ましてオムライス様がやって来るのを待つ。まわりの席はご婦人だらけ。あーヒマヒマで優雅でいいよなー、自分のことを棚に上げて思う。
オムライスがやって来た。真ん中にケチャップがかかっている。そもそも卵の中にはケチャップライスが入っているのにケチャップをかけるのは不思議。デミグラスとかの方がいいなーなんて思うが、かまわず食べる。
隣に座るご婦人ふたりの会話が聞こえてきた。テーブルの上には食べ終えた鉄板焼きの皿、ステーキだかハンバーグを食べた後のようだ、コーヒータイムに入っている。片方のご婦人がこう切り出した、「この話、今日初めていうんだけどね」。
なんだろ、オムライスを食べながらもちょっと気になり聞き耳を立てる。
「私、実は息子がいるの」。ん!?。。。もう片方のご婦人は「えー、そうなの」と驚いたふう。どういうこっちゃと思いながらも自然体を装い、オムライスをパクつく。
「それでね、この間50年ぶりにその息子と会ったの」
ひえー、何じゃそりゃ、それに、このおばさん幾つだ?50年振りということは75くらいなのだろうか。。。
「以前、探偵を雇って居場所を探したことがあって。それで今回、思い切って連絡したら、会ってもいいよと言われてね。いろいろ話ができてよかったわ。」
。。。絶句
「そうなの、良かったじゃなーい」、片方のおばさん(さっきまではご婦人)は、コーヒーを飲みながら、あっけらかんと返す。いったいこの二人はどんな関係なんだろう、そしてこのご婦人の過去には何があり、どういういきさつで50年間も合わなかった息子に会うことになったのであろう。こんな話が聞こえてきたら、ご婦人の顔をまじまじ見ることもできない。
この後どういう話になるのだろう、耳がダンボとはこのことだ。すると、なんと片方のおばさんが話題を切り替えるではないか。。。「私も聞いてよ」みたいな感じで、自分の家族や近況のことなどを話し始めた。それもごくフツーのくだらない世間話。
思い切ってカミングアウトしたであろう、そのご婦人はすっかり黙ってしまっている。そして、それ以降その話はなし。。で終了、チーン。
「傾聴」って大事だね。仕事でもよく言われることだけど、あらためて勉強になりました。そんなある日のお話、人生いろいろだね。
