人生はロングドライブ

多幸感あふれる人生を求めて、気づき感じる日々を疾走中

ポークソテーが好き


前回、何もしない一日が好き、みたいな話をしたと思ったら今度はポークステーが好きって、我ながらどういうことか?。何の脈略も節操もないじゃないか。

 

いいのいいの、オッサンは思い浮かんだことを口にしないと生きていけない生き物なんだらか好きにさせて欲しい。

 

ご多分に漏れず御歳を召すと脂っこい食べ物が食べられなくなってくる。カルビよりロース、トロより赤身、そして牛よりブタ。それが自然の摂理だから仕方がない。

 

昔は、ポークソテーという存在すら知らなかった。家で食べる豚肉と言えば、しょうが焼きやとんかつ。それにステーキといえばもちろん牛肉だし、豚肉のステーキなんてありえない、そんなの偽物だと思っていた。

 

それなのに豚肉のステーキと思われるポークソテーは、オッサンの嗜好にバッチリあう肉質満点の食べ物だ。しかもフツーのレストランではあまりお目にかかれない。どちらかというと昔ながらの洋食屋さんのメニュー。

 

沼津に「千楽」という洋食屋さんがある。ここは将棋の藤井聡太さんがカツハヤシ(カツが載ったハヤシライス)を食べたことで有名になったらしい。確かにまわりを見るとみんなハヤシライスを食べている。なんだけど、僕はあえてポークソテーを食べた。

 

これが旨いのなんの。なんといってもボリューミーなんだけど、脂が少ないからオッサンでも食べられる。瓶ビールを飲みながら、豚さんをがっつくのは気持ちがいい。当然ながらトンカツのように油で揚げているわけではないから胃も持たれない。ビバ、トンテキ、ビバ、ポークソテーだ。

 

実はポークソテーを食べたのはこの店が初めてだった。だってそれまではお肉と言えば牛だったのだから仕方がない。大人の階段を登るっていうのはこういうこと、何ごとも経験。

 

そういえば、最初に豚しゃぶを食べた時も衝撃だった。しゃぶしゃぶって牛肉だとばかり思っていたから、豚肉なんてそれこそ偽物じゃないかと思ったけど、こっちの方が美味しかった。

 

僕らオッサンは豚より牛の方が偉いと刷り込まれている。世間の常識、社会の常識というのは恐ろしい、このような既成概念から脱却することが我ら定年を控えたオッサンには求められている。そうしないと過去の慣習にこだわり、思い出話に明け暮れる巷の高齢者になってしまう。あーこわ。

 

食べ物のウンチク垂れる人って多いよね。あれが旨いこれが旨い、あそこで食べたものの方が旨い、こんなの○○じゃないとかなんとか。こういうのはやっぱオッサンに多いと思う。要は自分の人生経験を自慢したいだけ。だから自慢できれば、食べ物じゃなくても何でもいい。

 

サラリーマン時代は仕事のことで、アーダコーダ言ってたけど、定年になって仕事から離れると、食べ物やらなにやら過去の自分の自慢話になってしまう。こういう場に遭遇する度にこーなっちゃいけないと自分自身を戒める。

 

何でも感謝して美味しく食べればいい、そうありたいもの。先日、娘にファミレスに行かないかと聞いたら珍しく行くと言うので、嬉しくなってファミレスならぬ洋食屋さんへ連れていった。野毛にあるキムラというお店だけど、ここで食べたポークソテーももちろん美味しかった。

 

僕がポークソテーをうまいうまいとガッツいていたことを娘が覚えていてくれたらいいなーと思う。自分から自慢するでもなく、いつの間にか人の記憶に残ってくれたら最高だ。

 

オッサンぽくそんなことを思うけど、本当の気持ちだ。

こちらはキムラのポークソテー