
今回の一人ドライブ旅、相棒はもちろんBMW M440i。このクルマと一緒に北海道を駆け抜けてみたかった。というかそれが目的のドライブ旅。レンタカーを借りるなどはなから考えず、大洗港から一緒に船で向かったわけ。
自分でも驚いたが、総走行距離は3,000キロ。でもそんなに長距離を走った気がしない。素晴らしい景色に囲まれて、渋滞知らずの極楽ドライブだものそりゃ楽しいに決まっている。
トラックなどの遅い車が前に来ても、真っ直ぐな道が現れたら一気に追い越せばいい。都会の道では高速道路以外で前の車を追い越すなんてことはほぼない。でもここは大北海道、対向車線にクルマがいなければ積極的に前に行くのが当たり前。
この時、M440iの余裕のパワーを体感する。ちょっとアクセルを踏み込めば何の苦もなく軽々と前に出ることができる。当たり前かもしれないが、このストレスのなさは絶品だ。
僕はM440iはGTカーだと思っている。峠道を俺速いだろとガンガン走るのではなく(もちろんそれもできる)、極めてジェントルに大自然を駆け抜ける。そういった走りに必要なのは乗り心地の良さだけではない、必要な時に必要なだけのパワーをノンストレスに発揮できる性能だ。
M440iはこの乗り心地とパワーを極めて高いレベルで実現しているクルマだと思う。だからなのか、今回3,000キロを走り抜いたわけだが全く疲れることがなかった。人間もそうだけど、何事にも余裕が必要ということなんだと思う。
僕はこれまで乗り心地と速さ(パワー)は両立しないものだと思っていた。前者は極端に言えばロールスロイスやベンツなど後席に人を乗せて移動するショーファードリブン、後者はスパーカーやスポーツカーの類、フェラーリやTypeRみたいなやつね。ガチガチに固められた足で、乗り心地より速さを優先したクルマ。
M440iは乗り心地と速さ(パワー)の両方を実現している。そして両立した上で、運転する楽しさまでも提供してくれる。それが意のままに舵を切ることができるハンドリングだ。これがまた素晴らしいというか気持ちいい、ハーこんなクルマあったんだと再認識(自画自賛)。
これだものレンタカーを借りるなんてもったい無い。自分のクルマで大北海道を駆け抜け、改めて自分のクルマの良さを発見する、そして楽しむ。これが究極のドライブ旅だと思う。
あと再認識したのはシートの良さ。適度に硬くて、適度に囲まれ感がある質の良い革シート、これがロングドライブの疲労を低減してくれる。加えて運転席からの見晴らしの良さ、こういった何気ない基本設計が優れている。
こういったことは、このようなロングドライブをしないとなかなか気づかない。いつも走る交通量の多い一般道、速度を出すのは高速道路だけ、このようなシチュエーションではなかなか気づくことができない。
クルマ好きな人は是非とも、一度、北海道周遊ドライブを実現して欲しい。気づかなかったクルマの良さを再認識できたり、眠っていた性能を最大限に発揮させるのはとても楽しい。そんな場所が、高速道路やサーキットだけというのは寂しいこと。
素敵な景色に囲まれた中をストレスなしにロングドライブ、そんな経験を味わいたい人におすすめです。
