
先日、電気自動車を一日借りた話を書いた。そのときにディーラーの営業さんと話をしたのだが、現実、EVはまったく売れていないらしい。だいたい割合として1割以下、20台に一台そんなイメージだと言っていた。
これだけ、EV、EV言っていても実際はそんなもんなんだなと改めて思う。社会インフラ云々の話もあるだろうが、やっぱり今の所EVは近距離用途の二台目ニーズがほとんどなのだろう。その結果、大型車のBMWやベンツのEVは売れず、MINIなどのEVに流れることになる。
実際、僕自身も買うなら二台目用途の小型車だろうなと思った。MINIやフィアットなんか小さくてキビキビして面白そうだ。いくらテスラなんかの自動運転が優れていてもメイン用途では購入しにくい。充電の手間、残充電容量を常に気にしなければならないストレスには耐えられないからと言うのが僕の意見。
であるならば、二台目用途にフォーカスして思い切り趣味に振ったEVが出てくると面白いと思う。例えばオープンカー、Z4はちょっと大きくなりすぎなので、もう少し小型のEVオープンカーなんてイイと思う。
Z3のころのBMWや、ベンツのSLC、プジョーの207、そんなサイズ感のEVオープンカーが出てくるといいなと思う。このサイズのオープンカーで遠出をする人はあまりいないだろう。だったら、たまの休日に乗るクルマ、近場を転がすクルマとして、こんな趣味車がガレージにあると素敵だと思う。
ガソリン車と同じ車体でEV化するだけでなく、EVの特性を活かしたイノベーション、それが移動の手段としてのクルマから脱却するためのカギではないだろうか。
ガソリンのスポーツカーが好きな人って昭和なイメージがある。86なんかのFR車を改造して週末は峠を攻めに行きますみたいな感じ。もちろんミッションはマニュアル。加えて軽さが命。
今でもクルマ好きな人って、こういうイメージを持たれやすい。実はメーカーにもそういう雰囲気があって、マニュアルミッションのクルマを出すと、このメーカーわかってるみたいな評価をされて喜んでる。でも、そういうのってもう古い、化石みたいな価値観だと思う。
そういうクルマが楽しいのは理解するけれど、クルマはライフスタイルを表現する存在だからどんどんイノベーションしなければならない。新しい人生、価値、生活を僕らにもたらす趣味的な存在であって欲しい。
単にエンジンをモーターに置き換えるだけでなく、EVによる新たな価値観を持ったクルマが必要だ。現に高級スポーツカーってガソリン車であっても、どんどんモーターが加えられている。それによってサラなる性能アップを狙っている。それが高級高性能車のイノベーション。
同じように小型な趣味車のイノベーション、オープンカーで、おしゃれな外観で、手頃な価格感で、EVの加速感とキビキビ感を味わえるクルマ。
EVはエコ、EVは街乗り用、EVは自動運転、そんな発想からはEVを活用したイノベーションは生まれない。そのようなクルマは日産サクラに任せておけばイイ。
かつてマツダがロードスターを売り出して、小型オープンカーの世界を一世風靡した。その時と同じ様なチャンスがEVの世界に眠っている様な気がしてならない。価値観を切り替えて楽しむことが何事も重要、そういうことだと思う。
そんなクルマが出てきたら借金してでも買いたいな。夢のニ台持ち。公道を走るリアルゴーカート、ああー考えただけで楽しそうだよなー。自動車メーカーの皆さん、頑張りましょうよー。
