ゴールデンウイーク、お気楽ひとりドライブ旅の最終日。信州の上田から横浜まで帰途につく日。五日目だから、さすがにちと疲れた。
カラダが疲れるのは仕方ないが、ホテルだとどうしてもよく眠れない。夜中、何回も目が覚めてしまうし、朝も早くに目が覚める。ただでさえ疲れている中での寝不足、これでは疲れが取れるわけがない、そう思うが仕方がない。
上田から嬬恋を抜け、「鬼押しハイウエイ」という場所を走り抜けてから関越道で帰る予定を立てていた。森林に囲まれた有料のドライブコースが素晴らしいと聞いていたから、是非寄ってみたいと思っていた。
何だけどこの日は土曜日、ゴールデンウイーク後半戦の初日だから道路も観光地も混雑すること間違いなし。鬼押しハイウエイを抜けると軽井沢から関越自動車道を通って帰るルート。軽井沢のゴールデンウイークなんてさぞ賑やかなことだろう。
また、上田から嬬恋に抜ける道もどんな道かわからない。狭い峠道だったら嫌だな。そんなことを考えると、いっそのこと松本に戻り中央高速でさっさと帰ってしまおうか、そんな思いも頭をよぎる。
でもせっかくだから行くか!とココロに鞭を打ち、嬬恋方面に向かう。それなりの峠道だが、道幅も広く意外と快適だ、少しホッとする。また、土曜日だからか、それなりにクルマも走っている、流れに合わせて走ればいいから気を使わない。
この道はいい道だな、そう思っていると右手に雪を山頂にいただいた山が見えてきた。浅間山だ。
鬼押しハイウエイに入ると、森林の中をひたすら突き抜ける爽快な道が用意されている。しかもその向こうには浅間山がドテチーンと見えている。
いやー、素晴らしい。もうこの旅で何回呟いただろうか(もちろん独り言だ)。それでも素晴らしいのだから仕方がない、誰になんと言われようが僕のココロが感動しているのだからそれでいいのだ。
この辺りの気温は10度くらい、なんと所々に桜が咲いている。あーホント素晴らしい、来て良かったなーと心底思った。
迷ったら行って見る、その通りだと思う。松本経由でとっとと帰っていたらこの景色に出会うことはなかった。雪が残る浅間山に桜が咲く鬼押しハイウエー、この時期だけ出会える景色。
人生の中にもこんなタイミングがあるのだろう、その時に行くか行かないか。迷うくらいなら行ってみる、やってみる。間違いなくそうすべきだ。
軽井沢の街中を抜けると、帰り道の関越自動車道は渋滞知らず。一方の下りは大渋滞。途中寄った高坂サービスエリアでクルマを止め、向かいにあった階段を上がってみると下り側のサービスエリアに繋がっていた。下り側は駐車場に止めようとするクルマで大渋滞、まさに上りと下りとでは天国と地獄くらいの差があった。
「迷ったら行ってみる」はその通り、でも、それと同じように「皆が行くから行く」はすべきでない。自分がしたいコトに忠実にあるべき、その前提は自分で考えるということ。特にこれからのオッサン人生では重要だな、そんなことを思った57回目のゴールデンウイークなのでした。