ウン十年とサラリーマン生活を送ってきたわけだが、社内でこの人の着てる服ってセンスいいなーって人に巡り合ったことがない。僕の勤めている会社が地味なだけかもしれないけど多くの会社はそんなもんだろ。
基本スーツ着てれば問題ない、みんなそんな考えのように見える。だからドレスコードフリーとか言って、服装の自由化がなされたときはすごかった。いつもスーツでピシッとしている人が、えー、普段そんなカッコしてるのって人が続出した。
シャツの襟が開いた胸元には丸首のTシャツ、しかも色物、もちろんパンツはチノパンでシャツはズボンにイン。こんな人たちだらけ。後は謎のジャケット、どう見ても全体の色合いがあっていない。とにかくジャケット着てれば問題ないと考える人が多い。昔ゴルフ場でよく見たスタイル。
鞄も黒で書類が入れば何でもいいといった感じ。デパートなんかで買うのかもしれないが、近所のオリンピックなどでも似たようなものを売っている。
だいたいのサラリーマンってこんな感じだ。幹部になればなるほど、この傾向は強い。見かけだけで判断してはいけないが、会社の経営を判断する人たちがこのようなセンスでいいのだろうかといつも不思議に思う。
仕事はできるけれど、服装は無頓着なので女房任せ、昭和のサラリーマンはこんな感じの人が多かった。でも今は時代が違う。これからの経営にはセンスが求められるはず。
そのセンスが無くてもやっていけているということは、旧来の営業力や技術力だけで商売ができているということなのだろう。日本の多くの企業がそんな状態。ここにブランド価値やプロモーションといった強みを生かすことができれば、相当楽になるはずなのにね。
そもそも、営業力や技術力の活かし方にもこれからはセンスが求められる。少子化が進む中、優秀な人材を得るためには魅力ある人事施策も必要だ。会社としてのブランディングも重要になる。
製品やサービスだって、安くていいモノを作れば売れた時代はとっくに終わっている。コンシューマー向けであってもそうでなくても、人の琴線に触れるセンスある売り物が必要だ。そういったものにどれだけ技術力を活かせるか、その優先付けは大事な経営判断。
それなのに。。。結局、日本の企業の多くは旧態依然とした商習慣から抜け出せていないんですね。そんなことを服装だけで判断しちゃいけないと言われそうだが、外見は内面を表すっていうでしょ。間違いないのよ。
最近は社長とか幹部にはスタイリストがついているみたいだけど、これも着せられ感満載。やっぱりセンスって自分の個性がどう表現されているかってことだと思う。
センスのいい人は自ずと自分の雰囲気を持っている、だからこんな人は服装がお洒落というよりその人の雰囲気に合ったお召し物を身にまとっている。自分のことがよくわかってるんだよね。
実は会社も同じ。センスのいい会社は独特の雰囲気を持っている、その会社の個性が表現されているっていうか表現できるように努力している人たちがいる。このような会社はビジネスの方向性も明確だ。
旧態依然とした会社が多いってことは実はチャンスでもある。でもセンスのいい人は、自分で会社を興している人が多い。たぶん大きな会社で自己を貫くのは難しいのだろう。
僕も定年後は好きな仕事しかしないっていつも言っているけど、仕事とセンスが両立できるかはわからない。両立どころか、それ以前にセンスある自分にならないといけないのだもの。人生は修行、でも難しく考えないで、楽しんで取り組めばいいと思う。センスってそういうもの。
センスの良し悪しなんて意図して得られるものじゃない。自然に表現出来なければそれはセンスじゃなくて策略。そんなものを身につけても意味がない。
そんな自分になれるよう、自分を信じて取り組むしかない。なんか楽しそうだよね、がんばりましょう。