人生はロングドライブ

多幸感あふれる人生を求めて、気づき感じる日々を疾走中

運転席から見る景色



空港の夜景って好きだ。飛行機が降りる時に窓から見える景色、何とも言えない非日常的な雰囲気がある。地面に埋め込まれたライトが幾重にも照らされ美しい。

特に羽田空港は広いから一層その美しさが際立ってなんか感動する。やっぱ、旅をしているという高揚感もあるのだろう。このような場所で働いている空港の職員さんを羨ましく思うけど、非日常的な景色が日常になると、きっとこんな思いはなくなってしまうのだろうね。もったいない。

僕はドライブが好きだけど、やはり運転席から見る景色は素晴らしいと思う。しかも自分の思いのまま、行きたいところ、見たいものに向けて舵を切ることができる。まるで特等席に座って自分だけの映画を見ているようなものだ。これこそドライブの醍醐味。

最近はクルマと言えば自動運転みたいな話になる。テスラや中国のEVなどの技術はすさまじい速さで進歩している。でも僕にとって自動運転はあくまで補助機能でいい。完全自動運転になったら、クルマはクルマでなくなってしまう。

僕にとってのクルマは、僕と一体化してあちこちを走り抜けるマシン。それが完全自動運転になってしまうと単なる移動の手段となってしまう。電車やタクシーと一緒。寝ている間に目的地に着けばいいという存在。

僕にとってそんなクルマはクルマではない。ガソリンでもEVでもいい、やはり意のままに操って一緒にあちこち繰り出す存在でいて欲しい。

それにクルマはとってもパーソナルな存在だ。窓から見える景色を一緒乗っているパートナーと共有できる。景色だけでなく時間も共有できる、だからクルマは特別な空間でもある。自分たちだけの音楽を聴いたり、飲みモノを飲んだり、その空間にいる人間だけでおしゃべりをして一緒に時を過ごすことができる。

だからこそ一緒に乗る人、空間を共有する人は限られる。大切な場所だからね。誰もが乗れるようになったらそれは公共交通機関と一緒だ。

先日の出張帰り、羽田から横浜方面行の京急に乗車した。羽田で最後尾に乗り込むと、京急蒲田駅でスイッチバックして、そのあとは先頭車両となって横浜に向かうことになる。

たまたま、最後尾の席に座っていたものだから、蒲田からは最前列となった。しかも運転席側を向いている席だ。

この様な席に座ったのは初めてだったのだけど無茶苦茶楽しかった。まず、横浜に向かう線路上の景色が美しい、今までに見たことのない光景。そして、通過する駅にたたずむ人たちを横目に見ながら通り過ぎる、これがなんとも面白い。どちらも初めての経験。

そして信号機の切り替えに合わせながらスピードを上げたり緩めたり、あー電車ってこうゆう風に運転しているんだ、よく停車位置ぴったりに止められるよなー、そんなことを思いながらくぎ付けになる。

まるで小学生のようだが、ホント面白かった。そしてこんな光景を誰かと共有出来たらもっと面白いんだろうなと思う。

だったら、完全自動運転のクルマの中で、移り行く景色を誰かと一緒に見るのも面白いかもなんて思ってしまった。完全自動運転のクルマはクルマではないなんて言ったけど、違う楽しみのあるクルマが誕生するのかもしれない。

そう考えたら面白い、悪い話じゃないなという気がしてきた。実際、駆け抜ける喜びのBMW M440iだってレベル2の自動運転機能がついている。

新しい技術を使って、新しい楽しみを見つける、そういう心構えがこれからは必要なのかもしれないね。