クルマ選びは楽しい。
あれやこれや想像しては悦に入る。このクルマを選択した俺って渋いよなー、このクルマと一緒の生活はどんなだろう。そんなことを考える至福の時間。今回、BMW440iを購入するに至ったクルマ選びを振り返る。
これまでも暇さえあればスマホで検索していたが、今回は買い替えを決意したのだから本気だ。しかも予算は自分の銀行口座に入っている金額を上限にした。もうすぐ定年を迎えるっていうのにバカみたい。
我ながらそう思うがそれでいいのだ、働いているうちにしたいことをすると決めたのだ。自分を納得させ(半分騙して)、自分はどんなクルマが欲しいのかとあれやこれやと考える。
もちろん予算に上限はある。それでもこれまで考えていた金額よりは大幅に増やしたから選択肢も倍増する。すると意外なことに選択肢が少ないことに気づいた。正直欲しいクルマがあまりない。
実はこれって前からそう思っていた。最近のクルマって魅力がない。デザインも凡庸だし、スペシャル感のあるクルマが少ない、なんか全体的にまとまっちゃってるクルマが多い。それでいて金額も高額だ。
BMWのディーラーさんも売れるのはSUVばかりだと言っていた。EVはそれほど売れてないらしい。また、中国市場の影響もあるようで、最近のクルマドンドン大きくなり、内装も派手になっている。
新しい5シリーズの内装は違和感だらけだった。iDriveのコントロールボタン(くるくる回すやつ)なんてクリスタルでやんすよ。もう昔のヤンキー車にあった水中花のシフトノブを思い出しました。車内のアンビエントライトも派手だしねー、こういうの中国で受けるみたいなんですと言っていた営業のお兄さんは少し悲しそうだった。
そんなこんな思いながらも、僕が欲しいなーと思ったクルマはこちら(ちなみに中古が前提です)。
・ポルシェ911
・BMWアルピナB3
・アルピーヌA110
・ベンツCクラスカブリオレ(先代)
・BMW4シリーズグランクーペ
・BMW2シリーズクーペ
・AUDI TTクーペカブリオレ
こんな感じ、基本カッコから入ります。
そういう意味では現行のポルシェ911は最高にカッチョいい。特にお尻まわり。でも予算的にまったく無理。BMWアルピナも同様、できればアルピナは新車で買って自分で好きなオプションを選択して乗りたいクルマだと思う。
一時期、ベンツのCクラスカブリオレを本気で考えたことがあった。街で見かけたベージュの外装に濃紺の幌のモデルが忘れられない。でもそんなモデル中古では出てこないし、なにより今となっては先代モデル、高いお金出して買うのも今さらだよなーと感じる。
AUDI TTクーペカブリオレ、これもかっちょいいね。でも極端に選択肢が少ないのとやっぱり2シーターの一台乗りというわけにはいかない。TTSなんかもいいと思ったが、これまた選択肢が少ないのとモデル末期なので今さら感がある。
実は最後まで欲しかったのがアルピーヌA110。これももちろん2シーターなんだけど、そんなことどうでもいいくらい、このクルマのスタイルは素敵だ。
発売したころから無茶苦茶気になっていた。思い切って買うならこのクルマしかないのでは。そんなこと思い色々調べると、このクルマの神髄は軽さにあるらしい。シートなんてバケットシート。僕は走り屋ではないので、ゆったりマイルドにそして時にはドカーンと速く走ることができるクルマが好み。そんな僕にはちょっとスパルタン過ぎる、そんなことに気づいた(普通の人は最初からわかっていることです…)。皮シートを備えたリネージュというモデルもあるようだけど、ちょっとお高すぎた。
そしていよいよBMW。最初は2シリーズクーペが気になった。クーペだけのデザインだし、サイズ感もいい、いい歳した大人が乗るクルマとして最適じゃないか。でもこのクルマあんまりいい色がない、白黒以外だと紫かグレーみたいな感じ。もう少し、このクルマのスペシャリティ感を引き出す色があるとサイコーなのに。
そして最終的に購入したのが、BMW4シリーズグランクーペではなく2ドアクーペ、しかもM440i。フツーにカッコいいシルエット、伝統的なクーペスタイルに個性的なフロントマスク、そしてブルーなカラーにグレーのアクセント、上品でトラディショナルな内装と僕の好みにドンピシャな一台。しかもデザインだけでなく走りも一級品という素晴らしいクルマ。うーん、非の打ち所がないぜ。
2ドアなら2シリーズクーペでもいいのではと再度、頭をよぎったが、結局使える後席を持つ4シリーズの方が自分にとっての最適解であるという結論に至った次第。
(4ドアセダンからの乗り換えですからね、ひとりが多いとはいえ家族を乗せる配慮も必要。)
こうして嬉し楽しいクルマ選びを終えたわけだが、やっぱり条件(制限と言った方が適切か)があるからこそ、選ぶ楽しみがあるのだということもわかった。
予算に上限が無ければ何を買っていたのか、フェラーリでもランボルギーニでもマセラティでも選び放題かもしれないけど、僕にとってサイズ感は重要。それに普段の足として使えることも大事な条件。
僕は面倒くさがりなので、メンテナンスが求められたり、費用がかかりすぎたりすると乗らなくなるか大事にしすぎたりするような気がする。オープンカーも一緒、ずぼらな僕にはサンルーフあたりが最適なのだと思う。
ということで結局は必然と自分が乗りたいクルマ、必要としているクルマに行きつくの。当たり前かもしれないけど不思議なもの。
実はこれって人生と一緒だと思う。大げさかもしれないけど、きっとそう。人生で起きたこと経験したことにはすべて理由がある。今の自分がココにいるのも理由がある。だってその場その場で決めてきたのは、自分なんだもの。それが自分にとっての最適解だったってこと。
だから、過去を振り返って、あーすればよかった、こーすればよかったなんて考えても意味がない。もっと自信を持ってまいりましょう。
クルマは僕の人生にとってかけがえのない存在。「NO CAR、NO LIFE」、ホントその通りだし、ものすごくいい言葉だと思う。「駆け抜ける喜び」についても同じだね、クルマの存在意義を端的に示していて素敵だなと腹落ちする。
縁あって出会った440i、このクルマと一緒に僕の人生(LIFE)を駆け抜けていきたい、あーたのし。